マスクの必要になって手縫いを試みるも、やはりミシンが欲しい。
10年以上前から時々よぎっていたミシンが欲しい気持ちが、新型コロナウイルスの時期に再燃しました。
その中で、改めてミシン選びで得た知識をまとめて書こうと思います。
関連記事:ミニマリストがミシンを持つことを改めて考えました|新型コロナ渦中のマスク作り
ミシンで何がしたいか?の見極め
ミシンを買おうかと思った時にふわっとこんなものが作れたらな、と思っていたことです。
- あの頃(2020年3〜4月)マスクをとにかく縫いたい!
- 風呂敷を縫いたい
- カードケース兼財布を作りたい
カードケース兼財布に関しては、「ミニマリストが財布探しでフラグメントケースを選ぶ理由」でフラグメントケースを探しているものの「これだ!」というものがなかなか見つからないので、もう自分で作ろうかな。。。と思っているからです。
さらにミシンのことを調べつつ、ミシンで何が作りたいか?を考えていく中で、実家にいた頃にミシンで何を作っていたか、何が作れなかったか、何を作れなかったかを考えていて、ミシンを使って追加で作りたいと思ったものがこちらです。
- 服:夫のズボン、自分のトップス
- 防水か撥水のサコッシュ
- 財布(できれば革が縫いたい)
ミシン店で必ず聞かれる質問は「何を作りたいですか?」。
目的によっては、ミシンの価格が安くても高くても作りたいものが作れない可能性があるので注意です。
服を作るなら布の端をかがる時は、家庭用ミシンかロックミシンが必要、ボタン穴を作るなら家庭用ミシンがあると便利です。
革や帆布を縫うならモーターや布送りにパワーがあり、しっかり糸調子ができる機種となります。
ミシンの種類といろいろ調べたり、複数のミシン店の店員さんに聞いた機能や豆知識をまとめて紹介します。
ミシンの種類と機能
家庭で使うのだから、家庭用ミシン一択。迷う必要のない問題。
そう思っていました。
私が、実家で使っていたのも、家庭用ミシン。
ただ、私が「革で財布を作りたい」と言うと、店員さんはギリギリ職業用ミシンかしらね、といった反応でした。
いろいろミシンを掘り下げていると、私には「職業用ミシン」の方がいいのかな?と思えてきました。
職業用ミシンでも機種によっては、「革は無理だよ」と言われるものもありました。
最初はどういうこと??と混乱していましたが、まずミシンには大きく3つの種類があるのでそこから紹介します。
それとミシンのメジャーな機能も合わせてまとめます。
工業用ミシンは、流石に家庭に置くことはないので調べもしていないので、今回は対象外としています。
家庭用ミシン
家庭用ミシンは、手芸店や電気店にある白くて縫い模様の絵ががばぁっと本体に並んでいるタイプのミシンです。
最近は、軽くて小さいサイズのコンパクトタイプのミシンが多く出ていています。
家庭用ミシンの値段は、数千円〜数十万円のものまであります。
お店に行くと2〜3万円台のミシンを買いに行っったのに、5万円以上のミシンをすすめられて押し売りにあったと感じることもあるようです。
押し売り感というか営業されていると思っていたのですが、今は5万円以上というのは妥当だし店員さんがただ高いものを勧めたわけじゃなさそうだ、と変化しました。
ミシンの価格は、もともとの本体のミシンのスペックとミシンにどれぐらいの便利機能が追加されているかで値段が変わります。
さらにテーブルやフットコントロールペダル、押えといった自分の欲しい付属品を追加購入することもできます。
機能が上がるから値段が上がるのは当然なのですが、では機能があまりないミシンがミシンとして役目を果たすのかどうか、ここがミシン選びの難しいところだと思います。
次に、2〜3万円のミシンと5万円ぐらいのミシンの違いとなるどのメーカーも共通した機能を紹介したいと思います。
家庭用ミシンのよくある機能
自動糸調子機能
「自動糸調子」はミシンを買いに行ったら100%店員さんに言われる機能なのではないでしょうか?
自動糸調子機能のついたミシンは、生地の厚さなどから糸調子をしてくれます。
自分で糸調子ダイヤル回すから、なくていいんじゃないか?と思うのですが、マスクを縫う場合でも生地でも2枚を合わせている時、3つ折りの時、角や布が重なる部分と作っている間にその都度生地の重なる枚数は変わって行きます。
その都度試し縫いをして、糸調子を合わせるのは、初心者の方ほど苦痛だと思います。
そもそも糸調子の合わせ方も上糸・下糸どちらの問題なのかも初めのうちはわかならいと思います。
「自動糸調子」「標準糸調子」(自動が上位機能)とメーカーによっても若干の機能差がありますが、ミシンは面倒そうと感じている方こそ必須機能だと思います。
低価格帯のミシンにはないので3万円以上の機種にはなると思います。
自動糸通し機能
ミシンは上糸は糸巻きと下糸はボビンの2つの糸で縫い、その2つをミシンにセットする作業が必要です。
下糸は糸を巻いたボビンをボビンケースに入れて、ミシンにセットしていましたが、今は家庭用ミシンはボビンのみをセットするようになっているので簡単です。
上糸は、ミシン本体に糸を順番にかけて針に糸を通すのですが、この針に糸を通す工程をミシンで自動でしてくれる機種があります。
「自動糸通し」はついていると便利、なくても大丈夫、かつ自動糸通し部分の故障があるかもしれない機能でもあります。
糸が針に通らない小さいイライラを感じたくないなら、ついていた方がいいと思う程度だと思います。
自動糸切り機能
こちらの自動糸切り機能はネット上で賛否両論見受けられました。
縫い始める前に機能をONにしていると、縫い終わりに自動で糸を切ってくれます。
通常なら、縫い終わりに10cm程度糸を引き出して糸切りで切るのですが、その作業がいりません。
ただ、縫い終わりギリギリに糸を切ってくれる訳でなく1〜2cm程度上下に糸が残るので、綺麗に仕上げる場合はハサミで再度糸を切ることになります。
また、ミシンが糸を切るので、本体に糸くずがたまり故障の原因になる可能性もあるとのことです。ミシンを切るパーツの故障することもあるかもしれません。
また、縫い終わりで自動返し縫いと自動糸切りを同時に行う機種の場合、間違って縫い途中なのに自動で糸切りしちゃうという事故が起きる可能性もあります。
さらに、縫い始めの部分の下糸が絡まる通称<鳥の巣>が起きないように下糸を引き出すことを考えると、手間なんじゃない?と思える時もあるかもしれません。
イチイチ糸切りハサミで切らなくて作業がスムーズになるととるか、どうせ切るから自動糸切り機能は必要ないと思うかこちらも好みの問題かと思いました。
押さえ圧調整機能
探しはじめの頃にミシン店の店員さんに「最近は、みなさんなんでもニットですよ」と言われピンと来なかった押さえ圧機能です。
「ニット」と言われるとセーター見たいなものを想像しますが、手芸をしている方ならすぐに伸縮性のある生地と置き換えられるワードです。
伸縮性のある生地は、ミシンで縫うときにも多少伸びてしまう訳です。
ミシンは針の通る部分を押えとギザギザの歯で上下押さえて奥に送りながら縫うので、そのときに伸びてしまうと綺麗に縫えないのです。
なので、生地を押さえる力をコントロールできれば縫いやすく縫い目もきれいになるそうです。
「押さえ圧調整機能」は、低価格のミシンにはほぼない機能です。
子供の服をTシャツやスウェットのような伸びる生地で縫いたい場合やかなり薄い生地を縫いたい場合には、押さえ圧調整機能がないとすごく難しいかと思います。
一応、ニット生地を縫うときにテフロン押さえや生地の上に紙やすりを置いた入り、薄い紙を置いたりする技もあります。
家庭用ミシンの選ぶポイント
家庭用ミシンを選ぶポイントは上記の機能が自分にとって必要かどうかと大きさと重さの組み合わせになると思います。
重さ
ミシンが軽いというのは、そもそもきれいに縫えないミシンという可能性が高いです。
車と同じで軽ければガタゴト揺れやすいので、縫い目が乱れるし、軽いので生地が厚くなると力もだしにくいのです。
あと軽いということは、ミシンの部品やパーツが金属ではなくプラスティックが多く使われているので、耐久性も落ちてしまい壊れやすくなるそうです。
重さで内部の作りまでは分からないですが、多くのサイトでミシンの重さが7〜8kg以上あるものが勧められているのも納得です。
大きさ
ミシン本体の大きさと縫うときに生地を置くスペースとなる「ふところ」部分の大きさをみるといいです。
コンパクトタイプは収納している場所やミシンの出し入れには便利です。
ですが、「ふところ」が狭いと縫う範囲が広い場合に縫いずらさを感じると思います。
ミシンには付属品か別売りでワイドテーブルが各機種あり、より作業スペースを広くできるようになっているので、そもそものスペースが狭いと大変かなと思います。
縫い模様・刺繍機能
家庭用ミシンは、いろいろな縫い模様を選べることが特徴です。
10〜40種類ぐらいの縫い目を選べる機種が多いです。
ほとんどの縫い模様は使わない場合も多いようです。
あったほうがいいかなと思う縫い模様はこちらです。
- 直線縫い
絶対ついているのですが、機種ごとに縫い目の長さの設定がどの程度できるかが変わります - ジグザグ縫い
布端がほつれ防止の時に使います。
ニット生地の時に直線縫いより伸びた時に糸が切れにくいです。 - 裁ち目かがり
ジグザグでもいいのですが、ロックミシンがない場合あった方が仕上がりや耐久性も上がると思います。
刺繍機能や模様の多さは個人の好みだと思いますし、刺繍だけでも奥深いです。
同じ価格帯でも刺繍機能を充実させている機種もあります。
刺繍と言っても、絵・キャラクター・文字と得意分野があり、後から追加できない機能なので、自分が何をしたいか明確にするのをおすすめします。
家庭用ミシンまとめ
調べてみて感じたのは、「ミシンでちょっと縫えればいい」、という状態はないのかなと思います。
昔からぞうきんは低価格の家庭用ミシンでは難しいと言われていたし、私もそう思います。
厚みもあるし古タオルを使う場合は、パイル部分が縫っている間に針と押さえ板に食い込んだりします。
習い事用のバッグや巾着も持ち手や生地の重なる部分はを縫い付けるのは、低価格のミシンではパワー不足で縫えないかもしれません。
低価格帯のミシンでは結局できることが少なく縫うのも大変、だからミシンを使わなくなるというマイナススパイラルに入るように思います。
低価格帯のミシンでも縫えるものはあると思いますが、ミシン初心者程度の私としてはある程度ミシンで調整ができるものの方がストレスが少なくなりそうだと思いました。
職業用ミシン
ミシンを探している途中、職業用ミシンが欲しいという気持ちがかなり強かったです。
YouTubeでマスクの作り方を紹介されてる方とか見て憧れてしまいました。
職業用ミシンをざっくり特徴は
- 直線縫いのみ
- 基本的にパワーあり
- 9kg以上
- 機能やオプションで値段が上がる
- 押え・バインダー豊富
余分な機能をなくし、スピードと直線の美しさに特化したレーシングカーと行った感じです。
家庭用ミシンにある模様縫いはなく、直線縫いのみです。
家庭用ミシンのジグザグを縫うような針が横に動いたりせず、直線縫いに特化し速さと縫い目の美しさがあります。
パワーもあり、スピードは最高で1分あたり1,500針になります。
服飾専門学校に通う方が選ぶ職業用ミシンの『JUKI TL-30』(シュプール30)がだいたい6万円台〜で、これが現時点での職業用ミシンの最安値価格になると思います。
こちらの機種を一時期買おうかと思っていたのですが、2020年5月ぐらいには、GWもありメーカー欠品になっていて買えないと言われました。
今思うと買えなくてよかったかなと思っています。今は私には扱えそうにないミシンなんだろうなと。。。
洋服を縫う時の生地端の処理のジグザグミシンや裁ち目かがりができないので、家庭用ミシンかロックミシンが必要になると思います。
職業用ミシンなのに家庭用針?
職業用ミシンで最初に???とよくわからなかった点を書いておきます。
職業用ミシンは工業用針を使うのですが、職業用ミシンなのに家庭用ミシンが使える機種があります。
ミシン屋さんが教えてくれたのは、
- 工業用針は形状が丸く、強度がある
家庭用針は平らになっている面があります - 針が丸いので、セットするときに間違えやすい
- 工業用針の職業用ミシンには、自動糸通し機能はない
家庭用ミシンをお持ちで、職業用ミシンを追加購入するから針を別にそろえたくない方や工業用針の丸針が針のセットするときに間違うので面倒だという方が家庭用針を使う職業用ミシンを選ぶそうです。
そもそも職業用のパワーを活かすならば、工業用針の職業用ミシンを選ぶべしというスタンスでした。
ミシンの販売店とネット販売の謎
ちなみに、ネットでミシン選びを紹介しているサイトを見ると『JUKI TL-30DX』をおすすめと紹介されていますが、これは家庭用針モデルです。
なんで家庭用針のおすすめしているかと推測してみると、このモデルはネット販売可能モデルです。ということは、楽天やYahoo!ショッピングの広告をこんな感じで掲載できるんですよね。
発売から時間がたった古い機種はネット販売OKなど、ネット販売ができるかどうか販売店のみかどうかミシンの機種(家庭用ミシン・職業用ミシン共に)によって違うそうです。
本来な工業用針を使う職業用ミシンとしておすすめ機種は、『JUKI SL-300EX』、『JUKI SL-700EX』あたりが紹介される機種なんだろうと思いますが、今は販売店のみで購入できネットで価格の掲載もされていない機種になっています。
ミシンの流通で今回わかったのは、
- 販売店のみで販売できる
- ネットでも販売できる
- 特に量販店で販売される
- 専門学校のみのモデル
- ユザワヤモデルなど企業限定のモデル
ミシンの流通はちょっと複雑なようなので、ミシンはネットで買えるけれど、ネットでは買えないミシンの機種もたくさんあるのだと今回初めて知りました。
2020年4月の新品の家庭用ミシンがネットから売り切れになってしまったときに、ネットでよく売れていた販売価格が16,000円程度のミシンが、メルカリで50,000円程度で取引されていてびっくりしました。
ネットという売り場の範囲では、その機種が人気で売り切れになったのは間違いないですが、ミシン販売店ではそれより上位機種が通常の価格で売られていたのでなんだか不思議な現象が起きているなと思っていました。
JUKIの職業用ミシン
JUKIの職業用ミシンに関してまとめます。
TLシリーズ
発売時期は10年ほど前になるでしょうか。
価格は、2020年春の参考価格として書いておきます。
- TL-30 参考価格 税抜¥60,000前後
工業用針 - TL-30SP 参考価格 税抜¥110,000前後
工業用針|自動糸切り - TL-30DX 参考価格 税込¥90,000前後
家庭用針|自動糸切り|自動糸通し - TL-30SX
工業用針|自動糸切り|スピードコントロール|サブテンション - TL-Y10SP 税込 ¥87,780
ユザワヤのみのモデル
工業用針|自動糸切り - TL-Y10H 税込 ¥76,780
ユザワヤのみのモデル
家庭用針|自動糸切り|自動糸通し
SLシリーズ
JUKI TLシリーズの後に発売されたSLシリーズです。
特に『SL-700EX』はJUKIの職業用ミシンの最新機種で、なんでも縫えるのではないかという装備になっています。
革縫いができると謳っていて、職業用ミシンの糸は30番までが通常ですが20番の糸も使えるそうです。
さらに非公式ですが、8番という極太の糸でも縫えるとミシン屋さんに聞きました。
欲しい買いたいのは『JUKI SL-700EX』でした。
- SL-300EX 参考価格 税抜¥120,000前後
工業用針|自動糸切り|スピードコントロール|サブテンション - SL-700EX 参考価格 税抜¥160,000前後
工業用針|自動糸切り|スピードコントロール|サブテンション|フロート機能|太糸テンション(マジック糸カケ)
職業用ミシンまとめ
ロックミシン
ロックミシンは、Tシャツの生地のような伸縮性のある生地を縫ったり、生地の端のほつれをかがって縫うことができるミシンです。
家庭用ミシン+ロックミシン
職業用ミシン+ロックミシン
ハンドメイド作家さんや洋裁をされる方はこの組み合わせになるのだろうなとお思います。
私の母は、服を作ったりしていて家庭用ミシンとロックミシンの組み合わせです。
今回の私は、ロックミシンを買う以前の問題なので割愛します。
修理とメンテナンス
ミシンは精密機械で、布を主に縫うものなので糸くずやホコリが中にどうして溜まって行くので、掃除やメンテナンスが必要です。
いろいろなパーツもあって調子が悪くなったり、故障した時のことも買う前に考えておきたいなと思いました。
ミシン店に持ち込めるのか、ネット購入でも宅配修理できるのか、ネットの修理専門店にお願いするのかなど、購入前に修理する時のイメージは持っておいたほうが良さそうです。
自分の欲しい機種の情報を収集している方は、ミシン修理店の修理記録のブログを見るのがおすすめです。機種によっては、同じところばかり修理になっていたりその機種の劣化する傾向が分かります。
そもそも修理ばかり出ている機種は危ないのかも1?しれません。
あとネットで新品されていても古い機種の場合は、メーカーによっては修理の交換パーツが生産終了していて、修理ができない機種もあるそうです。
あと低価格帯のミシンの修理代金が、元々のミシン本体価格に近くなってしまうと買い換えるのか問題が発生します。
ネットで見かける3年保証・5年保証にもいろいろ業界の事情があるようです。
ミシン選びまとめ
ミシンを迎え入れるなら、メンテナンスしながら長い期間使えて、その時々の自分の作りたいものを縫えるものを選ぶのが賢明なんだなと思いました。
私は節約ケチなミニマリストなので、安くて使えるなら最低限でと思いがちですが、ミシンという精密機器で最新機種が頻繁にでるものでないものは、長く愛用できるものにしたいと思いました。
とても参考になったしもだミシンさんのサイトです。独特な作りですが、ミシン情報満載です。